MEO対策でサテライトサイトを増やすのは有効？自作NAP対策の実際の効果は？

結論：小規模な自作サイトでは効果は限定的。評価される規模なら可能性あり

MEO対策の一環として、「自社で複数のサブサイトやサテライトサイトを立ち上げ、NAP情報（店舗名・住所・電話番号）を掲載する」という施策を検討している方は多いかもしれません。

確かに、Googleビジネスプロフィール（GBP）に記載されているNAPと一致する情報が他のWebサイトに存在すると、Googleからの信頼性が高まる＝ローカル検索順位に良い影響を与える、という考え方は理にかなっています。

しかし、結論から言えば、「誰も見ていないような小規模サイトを量産してNAPを載せるだけ」では、Googleにとってほとんど価値がないと判断される可能性が高く、効果は限定的です。

逆に言えば、1つのサイトであっても、検索エンジンからの評価が高い＝コンテンツが充実していて他者からも参照されているサイトにNAP情報を掲載する方が、はるかに効果的です。

Googleが重視するのは「情報の質」×「媒体の信頼性」

MEO対策で重要になるのは、NAP情報が「正確に」「一貫して」「信頼できる場所で」掲載されているかどうかです。つまり、単に数を増やすのではなく、掲載されている媒体そのものの信頼度や関連性が問われるということです。

Googleは、単なる被リンクの数ではなく、リンク元サイトの権威性やユーザーからの評価を総合的に見ています。これは、MEO対策の外部要因（サイテーション）でも同様で、価値あるサイトからの情報掲載・参照が重要になります。

そのため、下記のような状態では、むしろ「スパム的な評価」につながるリスクもあります。

• テンプレート的に作られた内容の薄いサブサイトを短期間に多数作成
• ほとんどアクセスのないサイトに同じNAP情報をコピペしただけ
• 検索にも引っかからない・被リンクも受けていない自社ドメインの孤立サイト

こうした手法は、かつてのSEO施策と似た「量産スパム」に近く、Googleの評価対象にはなりにくいのが実情です。

それでも自社サイトで外部対策をしたいなら“オウンドメディア化”を

それでは、自社でNAP情報を活用したMEO対策を進めることは無意味なのか？ というと、そうとも限りません。

たとえば以下のように、しっかりとした構成・情報設計を行った中規模〜大規模サイトであれば、MEO対策としての外部シグナル効果も期待できます。

• 「地域情報サイト」「業種専門メディア」などの形で、50〜100ページ以上のコンテンツを掲載
• 地域や業界の課題に即した検索ニーズを拾いながら、ユーザーにとって役立つ構成にする
• 内部リンク・外部リンク・SNSでの拡散導線などをしっかり整備

このように、「サテライトサイト」ではなく「独立した1つのメディア」として運用することで、Googleからのサイト評価を高め、NAP情報が価値あるものとして認識される可能性が高くなります。

特に、ドメインエイジがある程度長く、ユーザーの滞在時間や閲覧ページ数が良好なサイトは、検索エンジンにとっても信頼されやすい土壌があります。

評価されやすいNAP掲載のコツとは？

信頼性の高いNAP情報を掲載する際のポイントは、次の通りです。

• ビジネスプロフィールと完全一致させる（表記揺れや省略を避ける）
• 構造化データ（Schema.org）を使用することでGoogleに正確に伝える
• アクセス情報・地図・営業時間などもセットで記載し、実在性を高める
• 複数ページで重複させない（NAPは一箇所、統一が基本）

また、店舗一覧やアクセスマップページのように、ユーザーにとっても必要とされる情報の中で掲載することで、評価の対象になりやすくなります。

有力な掲載先の候補とは？自社以外で評価されやすいサイト一覧

「自社でNAPを載せたサブサイトを量産する」よりも、「他の評価されているサイトに1件でも掲載してもらう」方が効果的であることはすでに述べました。では、どんなサイトが有力な掲載先になりうるのでしょうか？

• 地域密着のポータルサイト（例：エリア情報サイト・市区町村のビジネス紹介）
• 業種特化の比較サイト・検索サイト（例：ホットペッパー、エキテン、EPARK）
• 口コミ・レビューサイト（例：食べログ、Retty、美容系の@cosmeなど）
• 地元メディアのWEB記事や地域新聞のオンライン版
• パートナー企業のブログ・特集記事など、自然な関係性があるもの

これらに掲載されると、単なる被リンクやサイテーションとしてだけでなく、実際にアクセスや口コミにつながるケースも多く、MEO順位にも好影響を及ぼします。

まとめ：自力の外部対策は“質と継続性”がカギ

サテライトサイトを使ったMEO外部対策は、やり方次第で意味があるとも言えるし、意味がないとも言える、非常にグレーな領域です。

大切なのは、Googleが評価するのは「数」ではなく「質」であるという視点。意味のないサブサイトを量産するくらいなら、評価されるサイトに1件でも丁寧にNAPを掲載した方が、よほど効率的です。

もし自社で対策を進めたいなら、時間と手間をかけて、地域ユーザーの検索ニーズに応えるオウンドメディアを育てていくのが王道。MEOだけでなくSEOでも相乗効果が得られ、集客導線としての価値も大きくなります。

NAP情報は「載せるだけ」で終わらせず、どう見られ、どう信頼されるかまで意識することが、これからのMEO対策の本質と言えるでしょう。